賃貸管理における空室対策の基本や重要ポイントを解説
いつの時代も、オーナーの頭を悩ませる空室問題。住宅ローンを組んで賃貸経営を行う場合、1部屋でも空室が続くと心配になるものです。そこで今回は、賃貸経営における空室対策の基礎知識や重要ポイントをご紹介します。
「空室対策」は賃貸経営を左右する
一般に空室対策とは、所有物件の空室を解消するために、オーナー様が取り組むさまざまな対策を指します。たとえば、現在空室の部屋に新しい入居者を決める対策や、入居者の退去防止につながる対策をいいます。
賃貸経営を軌道に乗せるポイントは、常に空室対策を実践し、「収益の振幅」を小さくすることです。というのも、全ての部屋が満室の場合、多くのオーナーが「満室だから空室対策は不要」と考えます。この場合、支出が少なく家賃収入は高いので、当然ながら収益は大きくなります。
一方、徐々に空室が目立ち始めたとします。多くのオーナーは、空室が生じた段階で入居促進活動やリノベーション・リフォームなどの空室対策を実践しています。空室の分だけ家賃収入が減るにもかかわらず、支出は増える一方です。結果、空室期間が続く間は収益が小さくなります。
「収益が大きい期間」と「収益が小さい期間」の変動が激しい……。これはつまり、収益の振幅が大きい「不安定な経営状態にある」といえます。経営状態を安定化させるには、入居定着率を高めたり、新規入居者を獲得したりと、何らかの空室対策を実践するほかありません。空室対策は常に必要で、空室が目立ち始めてから動いても遅いのです。
空室対策の基本は「ニーズ調査」と「データ分析」
空室対策は、入居者ニーズの把握から始まります。主な調査方法は次の通りです。
- ・WEBサイトで調査
- ・不動産会社にヒアリング
- ・物件の現地調査
効率的に情報を収集したいなら、WEBサイトを活用したネット調査がおすすめです。たとえば、「統計局」の公式ホームページでは都市別人口や地域別の人口動態、居住者の属性などが公開されています。
さらに不動産ポータルサイトを活用すれば、物件分布や面積・築年数別の家賃相場推移など、細やかな情報にも触れられます。これらを元に市場分析を行い、入居者ニーズを洗い出していきます。
加えて、賃貸経営におけるプロの視点も参考にすべきです。不動産会社は日頃から多数の入居希望者と接しており、よりリアルで質の高い情報を保有しています。WEB調査だけでは得られない情報(空室率や入居までの期間など)を得られることもあります。
自分の足で物件におもむき、現地調査を行うのも有効です。周辺環境やエリア内の雰囲気、最寄り駅の利用者層など、リアルな情報から入居者ニーズを特定できるでしょう。
「資産の再生」で反響アップ
さて、空室が出ると長期化する物件とすぐに満室となる物件では、どのような点が違うのでしょうか。その違いの一つとして、すぐに満室となる物件では「リノベーション・リフォーム対策」に力を入れています。
物件の魅力を高めるリノベーション・リフォーム対策
空室対策としては、「ボトルネックリフォーム」「差別化リフォーム」「少額リフォーム」の3つが主に挙げられます。
空室対策の3つのリフォーム |
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一昔前までは当たり前だった和室や3点ユニット(風呂・トイレ・洗面所)は、入居者ニーズの変化にともない、近年は敬遠されがちです。そのため、和室は洋室に、3点ユニットはトイレ・風呂別に変更するなどのリフォームを行い、入居のボトルネックとなる仕様を変更し、入居者にアピールします。
また、デザイン性の高い内装に変更し、物件の個性を引き立てる差別化リフォームや、少額予算で新設備・機器を設置するリフォームなどもあります。いずれも“資産の再生”を目的とする典型的な空室対策です。
「家賃の値下げ」の効果は薄い?
空室対策の一環として、家賃設定を見直す場合もあります。しかし、安易な値下げは慢性的な減収を招き、「空室」という根本的な問題の解決には至りません。
もし見直しを検討する場合は、周辺物件の家賃相場推移などを考慮し、「本当に必要なのか?」を良く考えてみましょう。家賃は値下げした分、長期間にわたって減収状態が続き、経営そのものに悪影響をおよぼします。値下げを検討する前に、今できる空室対策の実践をおすすめいたします。
まとめ
賃貸経営は、空室との戦いです。安定的な賃貸経営のためにも、的確な空室対策で退去を予防し、高い入居定着率をキープしましょう。なお、三井ホームエステートでは、賃貸管理に関するご相談を承っています。お気軽にご相談ください。